阪神タイガースの大惨敗で終わった日本シリーズですが、しばらくショックから立ち直ることが出来なそうです。打線、投手陣ともに不調で、守備でも粗が目立ち、さらに運にも見放されていた。これではどうやっても勝てないそんな状況が続き、阪神ファンとしては4戦目にしてやっとシリーズが始まり、そしてそのまま終わってしまった。どうしてこんな大惨敗になったのか、言い訳を含めて日本シリーズを振り返ってみたい。
昨年、中日が日本シリーズで4連敗した後もプレーオフの間実践から遠ざかった不利がかなり取りざたされたんだけど、実践から遠ざかったという事以上に、この時期に調子の良い方のチームが勝ち上がってくるという事が大きい気が気がする。セ・リーグでもプレーオフが行われた場合に阪神は中日に勝てたのだろうか?そういった事も含めて、阪神が準備期間中にやるべきだった事を考えてみたい。
まず、2003年に出場した日本シリーズの経験から学ぶべきだったことは、短期決戦用の戦術を練ることだ。2003年はシーズン中の先発ローテーションを守りシーズンと同じ戦いをすることに主眼をおいたため、シーズン後半不調だった伊良部を2戦、6戦と、そのまま登板させたことが敗因と言われている。
これをふまえて先発投手陣を、シーズンのローテーションから変更するべきだった。シーズン中ずっと調子の悪かった井川を初戦に持ってきて、シーズン同様に打ち込まれる。シリーズ初戦はチームで一番良い投手を持ってくるという前提から考えると下柳を選ぶべきではないか。最多勝を取った下柳ならば、エースである井川自身も異論はなかったように思う。2003年同様にシーズン通りの戦い方で、策を講じず正攻法で勝とうとしたのは、何が何でも勝というチャレンジャーとしての精神に欠けたとしか思えない。(もちろんそれで勝つことが出来れば一番良いがいささかヒロイック過ぎる)
次に、昨年初めて行われたプレーオフの影響をもっと分析すべきだった。プレーオフを勝ち上がったのは昨年、今年共に2位のチーム。短期決戦を勝ち上がってきて、この時期にもっともチーム状態の良いチームと当たることになる。阪神はこの時期に通常のチーム練習しかしていない。(一部の選手は二軍のフェニックスリーグに出場したが)出来ることならば、この時期にシリーズのスタメンを白紙にして、シリーズ出場選手で紅白戦を行って、調子の良い者をスタメンで使うくらいのことは言って欲しかった。
当然、赤星、金本、今岡といった面々ははずすことは出来ない。それはプレーオフでソフトバンクが、絶不調だった松中をはずさなかったことと同様で、この選手が打てなかったら仕方ない選手というのがいるからだ。しかし阪神の場合、一塁、二塁、遊撃、右翼といったあたりは、流動的でも良かったと思う。特にシリーズの選手として、二軍から、赤松、林、喜田などを選んでいるのだから、スタメンのチャンスを与えるというポーズを見せることで、現スタメンの選手への突き上げになるし、二軍から選ばれた選手は発奮材料になるだろう。(最終的に、赤松、林、喜田の出場がなかったのは非常に残念)
こうしてチームに緊張感を保ったままシリーズに臨めば少しは違った結果になったのではないかと思う。シリーズまでの期間が空いてもシリーズに向けて合わせてくるのがプロだと言う論調もあるが、そのための環境作りをするのも現場の仕事だろう。選手のみに、これを求めるのは少し酷だと思う。
残念ながら今年の日本シリーズは、両リーグのチャンピオン同士の戦いというには相応しくない試合結果だった。セ・リーグのシーズン日程を、パ・リーグのプレーオフ終了に合わせたり、セ・リーグでもプレーオフを導入したりと、いろいろ両リーグの差を少なくする方法はあると思う。それを含めても、やはりチームが出来る限りの努力をすべきだった、まだ出来たことがあったな、という感想。
それにしても、2003年、2005年共にゴリラ顔にしてやられた。この手の顔がどんどん苦手になっていくなあ。来年は、連覇、日本一を目指してがんばって欲しい。
4連敗、残念でした。衷心よりお悔やみを申し上げます(決して嫌味ではなく、甲子園のファンの心中を思いやって)。
>短期決戦用の戦術を練ること
>下柳を選ぶべきではないか・・・
的確な分析やね。私も予告先発導入・初戦井川の時点でロッテの優勝を予想しました(4-1or4-0の予想を的中させ、嫁および仲間内の賭けも勝利・ごめん)。個人的に事前の予想では、終盤の先発陣の調子落ち(下柳除く)を考慮し、(予告先発なしを前提で)初戦の先発に藤川球児を推していました。予告先発は両チーム先発陣の左右バランスを考えると、明らかにロッテ有利(同考えても右右右左しかない)。そこで、左予想(井川か下柳)の初戦を最も信頼できる投手で獲る・・・というのが理由。精神的にず太い安藤あたりでも良かったかも。
ただ・・・いずれにしても打線の調子、それから運が悪すぎた(ロッテの運が良すぎた)。やはりPOは問題ありやね。セもPO導入が本決まりになりそうですが、それも疑問。個人的(広島ファン)としては・・・
1.4球団×3リーグに分割(西日本、名古屋+関東、東京+東北+北海道)。交流戦をガンガン組む。
2.3リーグの1位+勝率1位(ワイルドカード)によるPO
ワイルドカードは、国内の野球振興のために「四国アイランドリーグ1位と実業団1位の勝ったほう」でも面白いし、思いっきり他国を見下して「韓国1位or台湾1位」でもいい。
球団数を増やせない現状では、これが一番すっきりするような気がするんやけどねぇ。
さすがに初戦に藤川先発というのは行き過ぎた奇策という気がするけど、今年仰木監督がやっていたみたいに、中継ぎ投手を2イニングつづの継投で一試合乗り切るくらいのことはあっても良かった思う。
プレーオフの制度的な問題も含めてもっと議論はあって良いと思うし、メジャーと同じ制度にするってのも良いと思うけど、いまいち決め手に欠ける感じ。他国をワイルドカードに加えるってのはあちらさんが許さないと思う(笑)ので、当面は、今年から始まったアジアシリーズで良いんじゃない。
個人的には、もっと2軍の試合や情報をマスコミで取り上げて欲しいっていうシンプルですぐ出来る望みが大きい。