画狂老人卍

先々週の話なんだけど、上野の東京国立博物館でやっている北斎展に行ってきました。「画狂老人卍」というのは北斎が最期に使っていた屋号。ちなみに明日で終わってしまいますが。

葛飾北斎というと、富岳三十六景が有名で、中でも神奈川沖浪裏は世界でもグレートウェーブとしてさらに有名。海外の画家に多大な影響を与えているのは美術の授業や日本史の授業でも習うし、日本人ならだれでも知ってる絵だと思う。何度見ても構図が完璧だし、動く波をああいう風描くこと自体が今でも新鮮に映る。もうため息しか出ないっていう感じだねえ。コネタとしては、クイックシルバーっていうブランドのロゴがこの絵をモチーフにしているというのは有名な話。

北斎展で、初期から後期までかなりの作品が展示されているんだけど、最初から気合い入れて見過ぎて後半疲れて見る気力がなくなっていったのが残念だったなあ。個人的には、百物語の妖怪を描いた絵が好きだった。もちろん有名な絵は全部やっぱり好きなんだけど。

ちょうどほぼ日でも北斎の特集をやってたりして、そっちも後で読んだらかなりおもしろかった。この北斎という人は、何度も屋号(画名)を変えているんだけど、その中に画狂って文字が結構出てくる。簡単な紹介文を読むだけでもまさにその画狂っぷりがかいま見える。自分で画狂って名乗るだけあって、まさに絵を描かずには生きて居られないって感じの人だったんだなあ。

歳を取れば取るほど、もっと良い絵が描けるはずだという、そのあくなき向上心は素直に尊敬の対象。なにより、画狂老人卍って屋号がカッコ良すぎるよ。同じ国の人間で嬉しいなあと心底思える人物です。

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