ゲド戦記感想

8月6日に観てきました。ゲド戦記。宮崎吾郎第一回監督作品ですよ。つーことは第二回三回もあるっつー前提ですか。マジですか。個人的にはこれからのジブリ作品はアンダルシアの夏の監督をやった高坂希太郎にやって頂きたいですけどね。

ゲド戦記というと原作が有名らしいんですが、全く知りません。取りあえず観ていて何度も思ったのは、作りが甘いなという点。これはジブリ作品という看板がついてるせいで、他のアニメ映画だったらきっとなんとも思わないような部分だと思う。走ってる人の足の砂埃や、海をいく舟でできる波紋など細かい点が作ってあったりなかったり。この辺のクオリティに宮崎駿ではない吾郎の甘さが気になった。

そもそも監督なんて仕事は、クオリティに執着してなんぼって気がするんですが。吾郎にはどうも、俺が気に入らねえんだから、作り直せよボケッくらいのことをなんども言えるわがままさはないんだなあと、残念に思った。ただこのわがままさを発揮する下地には、自分が作画をやれば当然何度でも描き直すというアニメーターの下地がないことには無理だろうから、吾郎には一生無理なのかも。

という、まず見た目の部分で気になる点が多かったということに加えて、シーン毎の構図もおもしろみがない。まるで誰かのプレイしてるバイオハザードを横で観てるかのように、予想通りのおもしろみのないシーンが続く。この辺でテンポが悪くなる。

次にまあ、最近のジブリ作品は多いタレントが声をやるっていうのもいい加減どうだろう。V6の岡田も手嶋葵もめちゃめちゃ棒読みでさすがにこれはないだろうと。そんな感じだった。テルーの歌を歌う手嶋葵は良かっただけに、無理に声までやらせなくて良かったんじゃないかなあ。

俺がこのストーリーから読み取れたのは「命を大切に」くらいしかなかった。世間で酷評されているのも無理はないかなあと思う反面で、ゲド戦記、ジブリ作品、宮崎駿の息子が監督なんて肩書きもつけずに「ブレイブストーリー」って名前で公開してたら、普通のアニメ映画だったね。で終わりそうな映画ではある。

宮崎駿が「素直な作り方でよかった」と評したのもよくわかる、無難で当たり障りのない普通の映画だった。まあ一番悪いのは金儲け主義の鈴木敏夫のような気もするけど。とは言えもののけ姫以降のジブリ作品自体、すごく良かったってのがないので、もし宮崎駿が監督したとしてもどれだけの作品にできたんだろうか?とは思う。

でも、結局ジブリと付くと前評判が良かろうと悪かろうと一度観てみたくなるので、これからも観ないと仕方ないんだよなあ。それだけ宮崎駿が過去に作ってきたものが大きいんだもの。

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