鉄コン筋クリート観ました


鉄コン筋クリート オリジナル・サウンドトラック

実に1999年に観たパイロット版からすると7年ちょい待ち続けた鉄コン映画がついに公開になったので、初日の昨日観てきました。なんとも楽しみで仕方ないって感じで、観る前からかなりワクワク度が高かった。

新宿では舞台挨拶があったらしいけど、混雑して観る環境が悪くなるのがイヤだったんで、銀座で観てきました。銀座の映画館は7割ってとこで満員ではなかったけど、いわゆる松本大洋やスタジオ4℃の作品が好きそうな感じの若者から、老夫婦まで様々な客層でびっくり。

ここから先はかなりネタバレを含んだ感想になるので、観てない人は、劇場で観てからにしてください。劇場で観て100%満足できる内容なので。

で、鉄コン映画を観た感想としては、大満足!最高!絶対DVDも買う!そんな感じです。もうなんというか、あらゆる面でファンが納得いく出来です。というか、納得とかそんなレベルで上からものを言うのは失礼です。

まず、冒頭10分で心をグッと掴まれます。例えていうなら、ルパン三世カリオストロの城の冒頭のカーチェイス並みに、観てて爽快で引き込まれる。もうこの時点で、これはおもしろい!絶対に!と確信できる映像美、スピード感。

この冒頭のテンションのまま2時間おもしろいって感覚が持続する。途中シロとクロの別離が始まるあたりから、もうずっと泣きつつ観るような状況で、おい、前がよく見えねえよっていう。

原作を全く損なうことなく、映像、音楽、声、効果音がプラスされてるんだから、名作を原作にしておもしろくなくなるはずがない。なんて事は誰にでも言えるんだけど、それを実際に実行して見せられると、なんと嬉しいんだろう。と。

特にシロ役の蒼井優はすばらしすぎるな。あの難解な役をよくぞここまで演じてくれたと。もう足向けて寝れないですよ。マジで。他の配役もよくて、沢田や、木村あたりはぶっきら棒なしゃべり方が合うところがうまい。有名人を多様してるのに、それが全然気に障らないのが素晴らしい。蛇を演じた本木雅弘は、観る前からやってるの知ってるのに、それだとわからないという。

こういう奇跡的なバランスで作られていると、待っていた時間がむしろあって良かったと思える。中途半端な出来で世にでるような事がなくて。正直、これまで個人的なアニメ映画のランキング1位はAKIRAだったんだけど、今回で入れ替わりました。もう一回映画観で観たいなあ。

後、観てる時に、ずっと宝町の絵がなんかに似てるなあっていう感覚(そういう意識はでてこないんだけど)があって、パンフレットを読んでみるとその答えがわかった。宝町の歪んだ感じの町並みは、ベルヴィルランデブーの絵を参考にしたということで、これを読んで、これか!とすごく思った。

その他、パンフレットを読むと、監督のマイケル・アリアスがパイロット版のCG製作をやった事や、その後、あちこちで鉄コンの映画化を実現したいと尽力したことが書かれていて、なんかこんな鉄コンが好きな人たちに製作されて良かったと思った。実はこれを読むまで、マイケル・アリアスが何者なのかもよく知らなかったので、なんで突然外国人監督になったのかわからなくて大丈夫なのかよ?と思っていたので。いやあ、本当に申し訳ないです。監督があなたで良かったです。

ちなみにマイケル・アリアスは、ハリウッドで最初の本格的CG処理をした映画と言われるアビス(水の表現が絶賛された)を製作したと知ってびっくり。超有名人じゃん。アビス観たよ。すげーと思ったよ。知らなかった。ショック。

なので、みなさん是非観てください。松本大洋ファンで、この映画を貶すヤツがいたら、そいつは死んで良いです。ファンじゃなくても日本人なら絶対観た方が良い。日本のスタジオでここまで作れるんだぜ!って誇りに思える。

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です